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「変な家2 ~11の間取り図~」書評

雨穴の最新作「変な家2 ~11の間取り図~」は、前作のヒットを受けて登場した続編で、14万字を超える完全書き下ろしのミステリーです。

今回もフリーライターの筆者と設計士・栗原が奇妙で不可解な間取りの謎に挑む物語です。

この書評では、「変な家2 ~11の間取り図~」の魅力と内容について詳しく探ります。

奇妙な間取りの謎解き

「変な家2」には11の奇妙な間取りが登場します。

それぞれの間取りには、独特のミステリーが隠されており、読者を不安と興奮の世界へ引き込みます。

例えば、「行先のない廊下」は、何もない壁に続く廊下の謎を解き明かすものであり、「闇をはぐくむ家」では、家の中に存在する異常な暗さの秘密が探られます。

これらの謎は、単なる建築の不思議にとどまらず、心理的なサスペンスをも含んでいます。

設計士・栗原の推理力

本作の大きな魅力の一つは、設計士・栗原の推理力です。

彼は建築の専門知識を駆使して、普通では考えられないような視点から間取りの謎を解き明かします。

栗原の推理は、読者にとって驚きと納得の連続であり、その過程で明かされる事実や背景が物語を一層深くしています。

彼の冷静で論理的なアプローチは、物語の核心に迫る重要な鍵となっています。

各エピソードの詳細

行先のない廊下

「行先のない廊下」は、家の中にある目的地のない廊下がテーマです。

廊下の先にあるのはただの壁であり、そこに何の意味があるのかが謎解きの焦点となります。

このエピソードでは、廊下の設計意図や住人の心理状態などが緻密に描かれ、読者は徐々に真相に迫ります。

闇をはぐくむ家

「闇をはぐくむ家」は、家の中に常に暗い部分があるという不気味な設定です。

この家の住人は、その暗さに悩まされており、その原因を探る過程で驚くべき事実が明らかになります。

暗さがもたらす心理的影響や、それが家族関係に与える影響などが深く描かれています。

物語のクライマックス

物語は後編「栗原の推理」でクライマックスを迎えます。

ここでは、これまでの11の間取りに隠された謎が一つにつながり、全体像が明らかになります。

栗原の推理がどのように展開し、どのような真実が浮かび上がるのかは読者の想像を超えるものです。

各エピソードで示された手がかりが結びつき、全体の謎が解明される瞬間は、まさに戦慄の瞬間です。

不可解な間取りと人間ドラマ

「変な家2 ~11の間取り図~」は、単なるミステリーではなく、人間ドラマとしての側面も強く描かれています。

間取りの奇妙さが、住人の心理や生活にどのように影響を与えるのかが緻密に描かれています。

各エピソードでは、間取りの不思議さを通して、人間関係や過去の出来事、心の闇が浮かび上がります。

建築の視点からのミステリー

雨穴の作品は、建築の視点からミステリーを描くという独特のアプローチが特徴です。

「変な家2」でも、その視点が存分に活かされています。

設計士・栗原の知識や経験を通じて、建築の細部に隠された謎が解き明かされる過程は、建築に詳しくない読者でも十分に楽しめるものとなっています。

まとめ

「変な家2 ~11の間取り図~」は、奇妙で不可解な間取りを通じて、人間の心理や過去の出来事を描き出す魅力的なミステリー作品です。

設計士・栗原の推理力と独特の視点が、物語を一層深く、興味深いものにしています。

各エピソードに隠された謎が徐々に解き明かされる過程は、読者を引き込み、最後まで目が離せません。

建築ミステリーとしての側面と、人間ドラマとしての側面が見事に融合したこの作品は、ミステリーファンのみならず、広く読者におすすめできる一冊です。

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