悲劇のヒロインぶる妹のせいで婚約破棄したのですが、何故か正義感の強い王太子に絡まれるようになりました（3）：書評

心安らぐ王宮生活の始まり

第3巻では、主人公レイアが王太子エリックの護衛として王宮での生活を開始します。心安らぐ場所を得た彼女は、平穏な生活を送ろうと努力しますが、妹のジルの不穏な行動が新たな波乱を巻き起こします。エリックの護衛としての役割を果たしつつ、レイアは次第に王宮生活に慣れていく様子が丁寧に描かれています。王宮の描写や新しい環境に馴染んでいくレイアの心情がリアルに伝わり、読者を引き込む力があります。

ジルの危険な関係とレイアの葛藤

一方で、妹のジルがベルクライン公爵と浮気しているという事実が明らかになります。この公爵は不正を働いているとの噂が絶えず、エリックとレイアの存在を疎ましく思っている可能性があります。ジルが公爵に利用されているのではないかと推測したレイアは、公爵の身辺を調査することを決意します。

レイアの調査を通じて、ジルが危険な毒魔法に手を染めようとしていることが判明します。聖女を志していた妹が道を違えていく様子を目の当たりにし、レイアは大きな衝撃を受けます。この妹への愛情と失望が交錯するシーンは非常に感動的であり、レイアの内面の葛藤が巧みに描かれています。

エリックとの絆の深まり

第3巻では、エリックとレイアの絆がさらに深まる様子も見どころの一つです。エリックは貴族の不正を厳しく取り締まる正義感の強い人物であり、レイアに対しても信頼を寄せています。二人の間に芽生える信頼と友情、そしてそれが少しずつ愛情に変わっていく過程が非常に丁寧に描かれています。特に、エリックがレイアを守るために奮闘するシーンは胸が熱くなります。

聖女としての道と妹への想い

レイアは妹のジルが危険な道に進んでしまったことに対して、姉としての責任を感じます。聖女としての道を歩んでいたジルが堕落していく様子に心を痛めるレイアは、何とかして妹を救おうと奮闘します。この姉妹の関係性は物語の大きなテーマであり、レイアの苦悩と努力が感動的に描かれています。

波瀾万丈の展開と次巻への期待

第3巻の終盤では、公爵の陰謀が次第に明らかになり、物語は緊張感を増していきます。ジルが毒魔法に手を染めようとしている理由や、それに対するエリックとレイアの対策が見どころとなります。波瀾万丈の展開が続く中で、次巻への期待が高まります。

まとめ

「悲劇のヒロインぶる妹のせいで婚約破棄したのですが、何故か正義感の強い王太子に絡まれるようになりました」第3巻は、レイアの成長と彼女を取り巻く人間関係の深まりが魅力的に描かれた一冊です。妹ジルとの複雑な関係や、エリックとの絆の深まりが読者を引き込みます。王宮での新たな生活と、それに伴う波乱万丈の展開が見どころであり、次巻が待ち遠しくなること間違いありません。