
「自分なりに頑張っているのに、なかなか結果が出ない」
そんなとき、つい「まだ努力が足りないのではないか」と考えてしまうことがあります。
もっと時間をかける。
もっと勉強する。
苦手なことでも頑張ってできるようにする。
努力すること自体は悪いことではありません。
ただ、その努力は本当に必要なのか。そもそも頑張る方向を間違えていないのか。
そんなことを考えるきっかけになったのが、ひろゆきさんの『1%の努力』でした。
タイトルだけを見ると、「できるだけ努力せずに生きよう」という本にも見えます。
しかし、実際に読んでみると、私が受け取った印象は少し違いました。
努力を減らすというよりも、努力する場所や時間の使い方を考える。
そこに、この本の面白さがあるように感じます。
この記事では『1%の努力』の内容を簡単に要約したうえで、私が印象に残ったこと、少し疑問に感じた部分、そして読後に自分の努力について考え直したことまで紹介します。
『1%の努力』とは?ひろゆき氏の考え方をまとめた一冊
『1%の努力』の基本情報
『1%の努力』は、ひろゆき(西村博之)さんが、自身の経験や考え方をもとに、仕事や人生における「努力」「優先順位」「ポジション」などについて語った本です。
- 著者:ひろゆき
- 出版社:ダイヤモンド社
- 発売:2020年3月
- ページ数:288ページ
難しい理論を順番に学んでいくタイプの本ではありません。
ひろゆきさん自身のエピソードを読みながら、
「そんな考え方もあるのか」
「自分は少し頑張り方を間違えているかもしれない」
と、自分の考え方を見直していく本です。
この本が伝えていること
私が本書を読んで一番強く感じたのは、
「努力をするな」ではなく、「努力する前に考えよう」
ということでした。
頑張った時間が長ければ、必ず成果につながるわけではありません。
苦手なことを人並みにするために10時間かけるより、自分の得意なことを活かせる場所で1時間使った方が結果につながることもあります。
だからこそ、
「自分はどこで頑張るべきなのか」
「これは本当に頑張る必要があることなのか」
と、一度考えてみる。
私は『1%の努力』を、そんな視点を与えてくれる本だと感じました。

『1%の努力』の内容を簡単に要約
『1%の努力』ではさまざまな考え方が紹介されていますが、ここでは私が特に重要だと感じた4つに絞ってまとめます。
努力する前に「どこで戦うか」を考える
本書では、努力する量だけでなく、自分がどの場所にいるかが重要だと感じさせられます。
苦手なことばかり求められる場所では、周囲に追いつくだけで大きな努力が必要になります。
反対に、自分の得意なことや特徴が活かせる環境であれば、同じ努力でも結果は大きく変わります。
何でも努力で解決しようとするのではなく、まず自分に合った場所を考える。
本書の大きなテーマのひとつです。
本当に大切なことから優先する
時間には限りがあります。
仕事、家族、お金、勉強、趣味、人間関係。
すべてを完璧にしようとすると、時間はいくらあっても足りません。
本書では、限られた時間の中で何を優先するのかを決める重要性が語られています。
何をするのかだけではなく、
「何を後回しにするのか」
を決めることも必要です。
余白を残してチャンスをつかむ
本書に出てくる「働かないアリ」の話も印象的です。
常に予定を詰め、能力を100%使い切ることだけが正解ではありません。
少し余白を残しておくことで、周囲を見ることができたり、新しいことに気づいたり、必要なときに動けたりします。
何もしていない時間を、すべて無駄だと考えない。
そんな考え方も本書にはあります。
頑張らなくても価値を出せる場所を探す
努力というと、「苦手を克服する」という方向に考えがちです。
しかし本書では、自分の得意なことや特徴を活かし、比較的ラクにできることが他の人にとって価値になる場所を探すという考え方も出てきます。
苦手なことをすべて克服しようとするのではなく、
「今の自分が持っているものを、どこで使えば価値になるのか」
と考える。
努力量を増やす前に、ポジションを考えるという発想です。
ひろゆきさんの「当たり前を疑う」という考え方に興味がある方は、『99%はバイアス』を読んだ感想も参考になると思います。

『1%の努力』を読んで印象に残った3つのこと
ここからは本の内容そのものではなく、実際に読んで私自身がどう感じたのかを書いていきます。
努力の量より「努力する場所」が大切だと感じた
この本を読んで、私が一番考えさせられたのが「努力する場所」についてです。
以前の私は、苦手な作業でも、
「できないなら、人より時間をかければいい」
と考えていました。
実際、苦手なことを人並みにできるようにしようとして、かなり時間を使ったことがあります。
ところが、得意な人なら短時間でできてしまう。
そんな姿を見ると、
「自分はまだ努力が足りない」
と思ってしまいます。
でも今振り返ると、努力量だけの問題ではなかったのかもしれません。
もちろん、苦手なことでも最低限できるようになる努力は必要です。
ただ、
苦手なことを平均まで引き上げるために多くの時間を使うことが、本当に一番いい選択なのか。
そこは一度考えた方がいいと思うようになりました。
『1%の努力』を読んでからは、「どれだけ頑張るか」だけでなく、「どこで頑張るか」にも目を向けるようになりました。
「働かないアリ」という考え方が印象に残った
「働かないアリであれ」という話も、かなり印象に残りました。
最初に読んだときは、
「働かない方がいいという意味なのだろうか」
と思いました。
しかし、私は単純な「怠けのすすめ」とは受け取りませんでした。
むしろ、
いつも100%で動かず、少し余力を残しておく
という考え方に近いと感じました。
私自身、何もしていない時間があると、
「何かやらなければ」
と落ち着かなくなることがあります。
予定を埋めている方が、頑張っているような気がするからです。
でも、余白があるからこそ考えが整理されたり、新しいことに気づいたりすることもあります。
何もしない時間にも意味がある。
これは、この本を読んでから意識するようになったことのひとつです。
「何をするか」より「何をしないか」を考える
本を読んだあと、一度、自分が普段やっていることをノートに書き出してみました。
すると、
「これは本当に必要なのだろうか」
と思うものが意外と多くありました。
一度始めたから続けていること。
何となく不安だから続けていること。
周りもやっているから、自分もやっていること。
そうしたものまで全部「やるべきこと」に入れてしまうと、本当に大切なことに使う時間が減ってしまいます。
そこで、いくつかの項目にバツをつけました。
全部をやろうとするのをやめるためです。
私の場合、何かを始めることよりも、
「これはやめる」と決めることの方が難しい
のかもしれません。
『1%の努力』は、努力の方法だけではなく、「何をしないか」を考えるきっかけにもなりました。
自分の得意なことを活かしながら行動していくという点では、『多動力』を読んだときにも似た考え方を感じました。

『1%の努力』を読んで少し疑問に感じたこと
「努力しなくてもいい」と受け取るのは少し違うと思う
『1%の努力』には共感できる部分が多くありました。
ただ、
「努力なんてしなくていい」
と受け取ってしまうのは、少し違うと思います。
努力しなければ身につかないこともあります。
また、自分に向いているかどうかは、実際にある程度やってみなければ分からないこともあります。
最初は苦手だったことが、続けていくうちに得意になる場合もあるでしょう。
だから私は、本書を、
「努力をやめる」のではなく、「意味の薄い努力を減らす」
という考え方で読んでいます。
必要なところでは努力する。
でも、努力することそのものを目的にしない。
何かを頑張っていて成果が出ないときには、
「まだ努力が足りない」
と考えるだけではなく、
「そもそもこの方向でいいのか」
と確認してみる。
そのくらいの距離感が、私には一番しっくりきました。
『1%の努力』がおすすめな人・おすすめしにくい人
おすすめしたい人
『1%の努力』は、特に次のような人には合いやすいと思います。
- 頑張っているのになかなか結果が出ない人
- 何でも自分で抱え込んでしまう人
- 仕事や人生の優先順位を見直したい人
- ひろゆきさんの物事の考え方に興味がある人
特に、
「もっと頑張らなければ」
と自分に言い続けている人には、一度読んでみる価値があると思います。
すべての考え方に納得する必要はありません。
「ここは自分にも当てはまる」
「ここは少し違うと思う」
と考えながら読む方が、この本は面白いと思います。
おすすめしにくい人
反対に、
「具体的な仕事術を順番に教えてほしい」
「この方法を実践すれば成果が出る、という答えがほしい」
という人には少し合わないかもしれません。
『1%の努力』は、具体的な手順を教えてくれるノウハウ本というより、物事の見方を変えるきっかけを与えてくれる本だからです。
また、ひろゆきさん独特の割り切った考え方に抵抗がある人は、読んでいて引っかかる部分もあると思います。
ただ、その違和感から、
「では、自分ならどう考えるだろう」
と考えてみることにも意味があるのではないでしょうか。
『1%の努力』を読んで、自分の努力について考え直した
この本を読んだからといって、私は努力をやめたわけではありません。
必要だと思うことは勉強しますし、やるべき仕事もします。
ただ、以前より、
「とにかく頑張ればいい」
とは考えなくなりました。
何かを始める前に、
「これは何のためにやるのか」
「本当にここに時間を使う必要があるのか」
「別のやり方はないのか」
と、一度考えるようになりました。
以前は、立ち止まることに少し抵抗がありました。
周りが前に進んでいるのに、自分だけ止まっているように感じるからです。
でも、方向を間違えたまま走り続ければ、頑張った分だけ遠回りになることもあります。
一度立ち止まって方向を確認する。
それも必要なことなのだと思います。
『1%の努力』を読んで一番変わったのは、努力そのものよりも、
「努力する前に考える時間を持つようになったこと」
なのかもしれません。
周りの評価ではなく、自分がどう生きたいのかを考えるという点では、『嫌われる勇気』を読んだときにも通じるものを感じました。

『1%の努力』の感想まとめ|頑張る前に方向を考える一冊
『1%の努力』を読んで私が感じたのは、
「頑張らなくてもいい」ということではなく、「頑張る方向を一度考えてみよう」ということでした。
努力することは大切です。
ただ、努力量を増やすことだけが答えではありません。
どこで頑張るのか。
何を優先するのか。
何をやらないのか。
そして、本当に頑張る必要がある場面はどこなのか。
そうしたことを一度考えてから動くだけでも、同じ努力の意味は変わってくると思います。
「毎日頑張っているのに、なぜか前に進んでいる感じがしない」
そんなときは、さらに努力を増やす前に、自分がどこへ向かっているのかを見直してみてもいいのではないでしょうか。
私にとって『1%の努力』は、努力を否定する本ではありませんでした。
むしろ、
自分の努力を無駄にしないために、一度立ち止まって考えさせてくれる本
だったと思います。



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