自己啓発書の中には、「そんなに簡単に人生は変わらないだろう」と思ってしまう本も少なくありません。
しかし、小池浩の『借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんが教えてくれた超うまくいく口ぐせ』は、そうした疑いを抱きながら読み始めても、不思議と最後までページをめくってしまう一冊でした。
本書は、タイトルの通り、2000万円の借金を抱えた著者が“宇宙の法則”と呼ばれる考え方に出会い、人生を立て直していくまでの体験を描いた自己啓発ストーリーです。
スピリチュアル要素を含みながらも、物語の形で進んでいくため、難しい理論書のような堅苦しさはありません。
借金2000万円から始まるストーリー
物語の主人公は、実際の著者である小池浩さん。
事業の失敗などによって、気がつけば2000万円もの借金を抱えることになります。
普通なら絶望してしまいそうな状況ですが、彼はある不思議な存在――通称「ドSの宇宙さん」から、人生を変えるヒントを教えられることになります。
この“宇宙さん”は、優しく励ましてくれるタイプではありません。
むしろタイトル通り、かなりドSです。
著者が弱気な発言をすると容赦なく指摘し、言葉の使い方を厳しく修正していきます。
しかし、そのやり取りがユーモラスで、読者は自然と物語に引き込まれていきます。
説教くさい自己啓発ではなく、まるで会話を読んでいるような感覚で学べるのが本書の魅力です。
宇宙は「言葉」を増幅させる
本書で繰り返し語られるのが、「宇宙は言葉を増幅させる」という考え方です。
例えば、「お客さん来ないなあ」と何気なくつぶやいたとします。
その言葉は宇宙へのオーダーになり、「お客さんが来ない現実」を引き寄せてしまう。
逆に、「今日もお客さんが来てくれてありがとう」と言えば、その現実が引き寄せられるというのです。
ここで重要なのは、“完了形で願う”という点です。
たとえば、
「借金2000万円を10年で完済しました。ありがとうございます」
このように、すでに叶った形で言葉にする。
さらに、期限や理由をつけると宇宙に伝わりやすいと本書では説明されています。
最初は半信半疑でも、「言葉が思考を作り、思考が行動を変える」という点では、確かに理にかなっているようにも感じました。
「ありがとう」と「愛してる」の口ぐせ
本書の中で印象的なのが、「ありがとう」と「愛してる」という言葉を5万回言うというエピソードです。
これを続けることで、潜在意識とつながり、宇宙とのパイプがきれいになると語られています。
もちろん、現実的に考えると「本当にそんなことで人生が変わるのか?」と思ってしまう部分もあります。
しかし、言葉を変えることで気持ちが前向きになるのは確かです。
さらに著者は、ネガティブな言葉を使ってしまったときの対処法も紹介しています。
それは、その分だけ「ありがとう」を言って言葉を上書きするというもの。
シンプルですが、日常の思考をリセットする習慣としては面白い方法だと感じました。
お金との付き合い方も変わる
本書では、お金に対する考え方についても語られています。
著者によると、お金は「感謝と喜びのエネルギーの塊」。
そのため、お金を使うときには「ありがとう」と言って送り出すことが大切だと言います。
「友達をたくさん連れて戻ってきてね」
そんな言葉を添えて送り出すことで、お金の流れが良くなるというのです。
また、支払いをするときには「払える自分」を褒める。
お金を受け取るときには「来てくれてありがとう」と感謝する。
こうした考え方は、単なるスピリチュアルというより、お金に対する意識を前向きに変えるヒントのようにも感じました。
半信半疑でも読んでみる価値がある一冊
正直に言えば、読者によっては「本当に宇宙がそんなことをしてくれるのか?」と思う部分もあるでしょう。
私自身も、完全に信じているわけではありません。
ただ、本書の魅力は「宇宙の法則を信じるかどうか」ではなく、「言葉の力」に気づかせてくれる点にあります。
人は日常の中で、知らず知らずのうちにネガティブな言葉を口にしています。
「どうせ無理」「やっぱりダメだ」――そうした言葉が自分の思考を縛っている可能性は十分にあります。
本書を読んでから、少しだけ口ぐせを変えてみる。
それだけでも、気持ちや行動が変わるかもしれません。
借金2000万円という絶望的な状況から人生を立て直した著者の体験は、少なくとも「試してみる価値はあるかもしれない」と思わせてくれるものでした。
気軽に読めて、読み終えたあとに少し前向きな気持ちになれる。
そんな自己啓発書を探している人にはおすすめの一冊です。


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