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堀江貴文『多動力』の要約・感想|飽き性・器用貧乏は本当に武器になる?

堀江貴文『多動力』の要約・感想|飽き性・器用貧乏は本当に武器になる?

「何かを始めても、しばらくすると飽きてしまう」

「興味のあることはたくさんあるのに、これといった専門分野がない」

そんな自分を見て、

「もっと一つのことを長く続けられたらいいのに」

と思ったことはないでしょうか。

一つのことを何年も続けている人を見ると、それだけで立派に見えます。反対に、自分はあれこれ手を出しているだけで、結局何も身についていないのではないか――。

私も「継続できる人=すごい人」という考え方には、どうしても引っ張られます。

そんな「一つに絞れないこと」への見方を、かなり違った方向から考えさせてくれるのが、堀江貴文氏の『多動力』です。

タイトルだけを見ると、「とにかくたくさん行動しよう」という本のように感じるかもしれません。

しかし、実際に本書で強く語られているのは、それだけではありません。

好きなことに夢中になること。
自分の時間を取り戻すこと。
一つの肩書きや業界に縛られないこと。

そして、興味が移り変わっていくことまで含めて、自分の力にしていくという考え方です。

この記事では『多動力』の内容を簡単に振り返りながら、

「飽き性や器用貧乏は、本当に武器になるのか?」

という視点から、私なりに考えてみたいと思います。


『多動力』とはどんな本?

『多動力』は、堀江貴文氏によるビジネス書です。

幻冬舎の紹介では、これからさまざまな産業の境界が薄れていくなかで、業界の壁を軽やかに飛び越えていくために必要な力を「多動力」と表現しています。

本書は全8章で構成されており、「一つの仕事をコツコツとやる時代は終わった」という話から、「自分の時間」を取り戻す方法、仕事術、メンタル、人生の目的にまで話が広がっていきます。

ですから、『多動力』は単純な「飽き性肯定本」ではありません。

むしろ、

これまで当たり前だと思っていた働き方や生き方を、一度疑ってみる本

と考えたほうが近いと思います。

『多動力』の内容を簡単に要約すると

本書の中心にあるのは、

「一つの会社、一つの仕事、一つの肩書きだけに自分を閉じ込めなくてもいい」

という考え方です。

興味を持ったことには思い切りハマる。

そこで得た知識や経験を持って、また別の面白そうな世界へ進んでいく。

その経験が増えていけば、それぞれは一見バラバラでも、やがて自分だけの組み合わせになっていきます。

本書の第3章にも「サルのようにハマり、鳩のように飽きよ」という特徴的なテーマが掲げられています。

ここが、『多動力』を理解するうえでかなり大切な部分だと思います。

ただ何でも途中で投げ出せばいい、という話ではありません。

まず夢中になる。そして、次へ行く。

この順番です。

「内容は気になるけれど、活字のビジネス書は少し苦手」という方には漫画版もあります。ストーリーを追いながら『多動力』の考え方を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

→漫画版『多動力』を読んだ感想・内容はこちら

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『多動力』を読んで印象に残った3つの考え方

『多動力』にはかなり強い言葉が並びます。

読んでいて「そこまで言うのか」と感じるところもあります。

ただ、その刺激的な言葉だけを拾うより、「なぜそう考えるのか」を一歩掘り下げたほうが、この本は面白くなります。

私が特に大切だと感じたのは、次の3つです。

1.一つのことだけを極めるのが正解とは限らない

私たちは子どもの頃から、

「一つのことを長く続けるのは素晴らしい」

と教えられてきました。

もちろん、それ自体は間違っていません。

一つの分野を何年も掘り下げたからこそ、身につく技術もあります。

ただ、『多動力』を読むと、

「それだけが正解なのだろうか?」

と考えさせられます。

たとえば、

「文章を書く」

という能力だけなら、それができる人は大勢います。

しかし、

文章を書く

SEOを知っている

ある特定ジャンルに詳しい

となれば、少しずつその人ならではの特徴が出てきます。

一つ一つの能力では突出していなくても、組み合わせによって希少性が生まれる。

これは、「何でも少しずつできるけれど、一流と言えるものがない」と悩んでいる人にとって、かなり救いになる考え方ではないでしょうか。

器用貧乏を直すのではなく、

「すでに持っているものを、どう組み合わせるか」

と考えてみる。

そう考えるだけでも、自分を見る角度は少し変わります。


2.「飽きること」そのものが悪いわけではない

ここは、私が『多動力』を読むうえで特に誤解したくないところです。

「飽きてもいい」と聞くと、

「じゃあ、嫌になったら何でもすぐ辞めればいいんだ」

と思ってしまうかもしれません。

でも、それでは単なる三日坊主になってしまいます。

私自身、何かに飽きたときには、

「もう十分やったから興味が別へ移った」のか、

それとも、

「難しいところにぶつかって逃げたくなっただけ」なのか、

一度考えたほうがいいと思っています。

似ているようで、この二つはかなり違います。

新しいことを始めた直後は楽しいものです。

知らなかったことが分かり、できなかったことが少しずつできる。

ところが、ある程度進むと必ず面倒な時期がやってきます。

そこで毎回やめてしまえば、経験はなかなか積み上がりません。

だからこそ、

「飽きた=辞めていい」ではなく、「この経験から何を持って次へ行けるか」

と考えることが大切なのだと思います。


3.完璧を目指すより、まず形にする

もう一つ、日常でも使いやすい考え方が「完璧を求めすぎないこと」です。

これは仕事でも勉強でも、そしてブログでも当てはまります。

「もう少し勉強してから始めよう」

「もっと上手になってから人に見せよう」

そう考えているうちに、結局何もしないまま時間だけが過ぎてしまうことがあります。

これは意外と苦しいものです。

本人は真剣に考えているのに、外から見れば何も変わっていないからです。

それなら最初から100点を目指すのではなく、

まず60点でも一度形にしてみる。

うまくいかなければ直す。

知らないことが出てきたら、そのとき勉強する。

このくらいの感覚のほうが、結果的には前へ進みやすいのではないでしょうか。

「雑でいい」という意味ではありません。

完璧になるまでスタートしないことと、スタートしてから改善していくことは違う。

この違いは、本書から持ち帰りやすい考え方の一つだと思います。


「飽き性=才能」と単純に考えないほうがいい

ここまで読むと、

「だったら飽き性のままでいいんだ」

と思うかもしれません。

ただ、私はそこまで単純ではないと思っています。

次々と手を出すだけでは何も残らない

英語を1週間。

プログラミングを1週間。

動画編集を1週間。

投資を1週間。

そして全部辞める。

これを繰り返しただけでは、「多動力」というより、単にいろいろなものを少し触った状態です。

重要なのは、

次のことを始めるときに、前の経験が何か残っているか。

だと思います。

知識でもいい。

技術でもいい。

人とのつながりでもいい。

「これは自分には合わなかった」という発見だって、立派な経験です。

そうしたものを少しずつ持って次へ進むからこそ、過去の経験が無駄にならなくなります。

「ハマる」と「飽きる」はセット

『多動力』の面白いところは、「飽きる」だけでなく、その前に「ハマる」という考え方があるところです。

本書の章タイトルにも、その二つがセットで示されています。

私はここを飛ばしてはいけないと思います。

面白いと思ったなら、まずやってみる。

せっかくやるなら、ある程度は夢中になってみる。

そして別のことに興味が移ったなら、それまで得たものを持って次へ進む。

この繰り返しなら、「飽き性」も見え方が変わってきます。


器用貧乏は本当に武器になるのか?

では、この記事の最初に出した疑問に戻ります。

器用貧乏は本当に武器になるのでしょうか。

私の答えは、

「そのままでは武器にならない。ただし、使い方次第で武器になる」

です。

いろいろなことが少しずつできる。

それだけでは確かに器用貧乏かもしれません。

しかし、

「自分がこれまで経験してきたこと」

を一度並べてみると、意外な組み合わせが見つかることがあります。

仕事で身につけた能力。

趣味で何年も続けていること。

資格を取るために勉強した知識。

人より少し詳しい分野。

昔は夢中になったけれど、今はやめてしまったこと。

こうした経験は、一つ一つを見ると大したことがないように感じます。

でも、別の経験と組み合わせた瞬間に、意味が変わることがあります。

だから、

「自分には何もない」

と決めつける前に、

「自分には何があるのか」

を一度全部出してみる。

『多動力』を読んだあとにやってみると、面白い作業だと思います。


『多動力』を読んで良かったと感じたところ

この本の良さは、ノウハウを一つ一つ教えてくれるところではありません。

むしろ、

「本当に今まで通りでなければいけないのか?」

と考えさせてくれるところにあります。

一つの道に決められない人の気持ちが少し楽になる

世の中には、一つの道を何十年も歩いていける人がいます。

それは素晴らしいことです。

でも、全員が同じ生き方をできるわけではありません。

興味が次々と移っていく人もいます。

やりたいことを一つに決められない人もいます。

そんな人が「自分は意志が弱い」と責め続けるのではなく、

「もしかしたら、この性格にも使い道があるのではないか」

と考えられる。

それだけでも、この本を読む意味はあると思います。

行動するまでのハードルを下げてくれる

『多動力』には、考えすぎて動けなくなっている人の背中を押すような強さがあります。

「失敗しないように準備してから」

ではなく、

「まずやってみて、あとから考える」。

もちろん、何にでも当てはめられる考え方ではありません。

しかし、失敗しても大きな損失にならないことなら、考え続けるより一度試したほうが早い場合もあります。

私はこの「小さく始めてみる」という考え方なら、かなり取り入れやすいと思いました。


逆に、『多動力』で少し気になったところ

書評なので、良かったところだけで終わらせたくありません。

『多動力』には、人によって合う・合わないがかなりあると思います。

言い切りが強い

堀江氏の文章は、とてもストレートです。

だからこそ面白いのですが、

「そこまで割り切れない」

と感じる人もいるでしょう。

会社、仕事、人間関係には、自分の好き嫌いだけでは決められないこともあります。

本に書いてある考え方を、そのまま自分の生活へ当てはめる必要はありません。

「これは使えそうだ」と思ったところだけ拾う。

私はそれくらいの距離感で読むのがちょうどいい本だと思います。

続けなければ身につかないものもある

もう一つ忘れたくないのが、「継続する力」そのものの価値です。

資格の勉強でも、語学でも、専門技術でも、ある程度の期間を積み重ねなければ身につかないものがあります。

だから、

「多動力=継続は必要ない」

と考えるのは少し違います。

一つしかやってはいけないわけではない。

でも、何一つ続けなくてもいいわけでもない。

この間のバランスを自分で探す必要があります。

周囲の常識や「こうあるべき」という考えに縛られて苦しくなっている人には、『嫌われる勇気』にも通じる部分があります。人の目を気にしすぎてしまう方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。

→他人の顔色を気にすることに疲れた人へ|『嫌われる勇気』を読んで感じたこと

『嫌われる勇気』を読んで「人の顔色を伺う」のをやめられた話|課題の分離をわかりやすく解説
人の顔色を伺って疲れてしまう人へ。『嫌われる勇気』を読んで特に役立った「課題の分離」を、職場での実体験を交えながらわかりやすく紹介します。相手の不機嫌を自分の責任だと思い込まず、事実と想像を分けて考える方法も解説します。

『多動力』はこんな人におすすめ

ここまで読んで、

「自分には合いそうだ」

と思った方もいれば、

「少し考え方が極端かもしれない」

と感じた方もいると思います。

『多動力』は、特に次のような人なら一度読んでみる価値があります。

  • 興味のあることが多すぎて、一つに絞れない
  • 飽き性であることにコンプレックスを感じている
  • 新しいことを始めたいのに、失敗が怖くて動けない
  • 完璧を求めすぎて行動が遅くなってしまう
  • 今の働き方や時間の使い方に疑問を感じている
  • 「一つの道を極める」という生き方に息苦しさを感じる

反対に、

  • 一つの専門分野をじっくり深めたい
  • 強い言い切りの文章が苦手
  • 具体的な手順を一から教えてもらいたい

という人には、少し合わないかもしれません。

「万人におすすめできる本」というより、

今の自分の生き方に少し違和感を持っている人ほど刺さりやすい本

だと思います。

『多動力』を実際に読んでみたい方はこちら

Amazon.co.jp: 多動力 (幻冬舎文庫) eBook : 堀江貴文: Kindleストア
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『多動力』を読んだあとに試してみたい3つのこと

本は読んだ直後が、一番「やってみよう」という気持ちが強いものです。

ところが数日すると、意外なほど忘れてしまいます。

そこで、『多動力』を読み終えたら、難しいことを始める前に次の3つだけ試してみるのがおすすめです。

1.興味のあることを全部書き出してみる

「仕事につながるか」

「お金になるか」

はいったん考えなくて構いません。

やってみたいことを、とにかく書き出します。

旅行でもいい。

動画でもいい。

資格でもいい。

読書でもいい。

料理でもいい。

「こんなことを書いて何になるんだ」と考えないことです。

まず、自分が何に興味を持っているのかを見える状態にします。

2.その中から一つだけ小さく始める

いきなり高額なスクールへ申し込んだり、大量の道具を買ったりする必要はありません。

本を一冊読む。

無料の動画を見る。

30分だけ試してみる。

まずはその程度で十分です。

やってみなければ、本当に好きなのかどうかも分かりません。

3.これまでの経験との組み合わせを考える

最後に、

「今までやってきたことと組み合わせられないか?」

と考えてみます。

読書 × 文章
仕事経験 × 資格
投資 × ブログ
趣味 × SNS

組み合わせ方に正解はありません。

むしろ、

「こんなもの、普通は組み合わせないだろう」

と思うものほど面白いかもしれません。

自分だけの強みは、まったく新しい才能をゼロから作るより、

すでに持っているものの組み合わせから見つかることもあります。


まとめ|飽き性を責めるより、経験をどうつなげるか考えてみる

『多動力』を読んだからといって、飽き性が突然「才能」に変わるわけではありません。

何でも始めて、飽きたらすぐ辞めれば成功できる。

そんな単純な話でもないと思います。

それでも、

「一つのことをずっと続けられない自分はダメだ」

と思っていた人にとって、本書の考え方はかなり違った景色を見せてくれます。

一つに絞れないなら、一つに絞らなくてもいい。

ただし、それぞれを完全にバラバラな経験で終わらせない。

一つの場所で得たものを持って、次の場所へ進む。

そして、いつかそれらがつながったとき、

「器用貧乏だと思っていた自分だからこそできること」

が見つかるかもしれません。

「何か一つに決めなければ」

と焦っているなら、一度その考えを横に置いてみてもいいのではないでしょうか。

今まで寄り道だと思っていたものの中に、これからの自分を作る材料が残っているかもしれません。

『多動力』は、そんなことを考えるきっかけを与えてくれる一冊です。


一つのことに絞れない自分に悩んでいる方は、『多動力』を一度読んでみてはいかがでしょうか。

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