
「もっと時間があれば、やりたいことができるのに」
そう思って効率を上げたり、予定を細かく管理したりしても、なかなか時間に余裕ができないことがあります。
そんなときに、少し違う方向から時間の使い方を考えさせてくれるのが、石川和男さんの『やらないことリストのつくり方 見るだけノート』です。
本書で大切にされているのは、
やることを増やす前に、やらないことを決める
という考え方です。
1日は誰にとっても24時間です。
新しい勉強を始める。
副業をする。
運動する。
家族との時間を増やす。
やりたいことを追加していけば、どこかで時間が足りなくなります。
そこで、
「何を増やすか」
だけではなく、
「何をやめるのか」
を考える。
さらに本書では、「やりたくないこと」に目を向けることで、自分が本当にやりたいことも見つけやすくなると考えます。
この記事では、『やらないことリストのつくり方 見るだけノート』の内容を簡単に要約しながら、「やらないことリスト」を作る意味、具体的な考え方、G+PDCA、どんな人に向いている本なのかを紹介します。
『やらないことリストのつくり方 見るだけノート』とは?
『やらないことリストのつくり方 見るだけノート』は、石川和男さんによる時間管理・目標達成をテーマにしたビジネス書です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式書名 | 目標が120%達成できる! 理想の自分になれる! やらないことリストのつくり方見るだけノート |
| 著者 | 石川和男 |
| 出版社 | 宝島社 |
| 発売日 | 2023年4月24日 |
| ページ数 | 176ページ |
| 判型 | A5判 |
| ジャンル | ビジネス・時間管理 |
本書は「見るだけノート」シリーズの一冊です。
イラストを交えながら、
- なぜ「やらないこと」が重要なのか
- やらないことリストの作り方
- 仕事で何をやらないか
- 理想の自分になるために何を手放すか
- 目標を達成するための考え方
- G+PDCA
などを扱っています。
時間管理の本というと、
「どうすればもっと早く仕事を終わらせられるか」
「どうすれば予定を詰め込めるか」
という足し算の発想になりがちです。
しかし本書は逆です。
大切なことへ時間を使うために、先に減らすものを決める。
そこが大きな特徴です。
本書を一言で要約すると?
本書を一言でまとめるなら、
本当に大切なことへ時間を使うために、「やらないこと」を決める本
です。
私たちは目標を立てると、
「資格の勉強をする」
「副業を始める」
「運動する」
「本を読む」
など、新しい行動を追加しようとします。
しかし、すでに毎日の予定がいっぱいなら、新しいことを入れる余裕はありません。
そこで、
「何を始めるか」
と同時に、
「何をやめるのか」
を考えます。
たとえば勉強時間を増やしたいなら、何となく見ているSNSや動画の時間を減らす。
重要な仕事へ集中したいなら、今すぐ対応しなくてもよい細かな作業を後に回す。
自分でなくてもできることなら、誰かに任せられないか考える。
つまり「やらない」とは、単なるサボりではありません。
何を大切にするか決めるための選択です。
「やらないことリスト」は何のために作る?
「やらないことリスト」と聞くと、
「できるだけ楽をするためのリストなのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、本書の目的はそこではありません。
やらないことを決めることで、
本当に使いたいところへ時間と集中力を回すこと
が目的です。
何でもやろうとすると、一つひとつに使える時間が少なくなります。
反対に、
「これは今やらない」
「これは自分でやらない」
「これは後に回す」
と決めれば、重要なものへ時間を寄せやすくなります。
考え方としては、
やらないことを決める
↓
時間と集中力に余白ができる
↓
大切なことへ使う
という流れです。
「やらないこと」を増やすこと自体が目的ではありません。
大切なものを選ぶために、手放すものを決める。
ここが本書の中心です。
特に参考になる4つの考え方
本書では、仕事や生活の中で「やらないこと」を決めるための具体的な考え方がいくつも紹介されています。
ここでは、その中から日常にも取り入れやすいものを4つに絞って紹介します。
まず「全部やる」という前提を疑う
やることが増えてくると、
「どうすれば全部終わらせられるか」
と考えがちです。
しかし、その前に考えたいのが、
本当に全部やる必要があるのか
ということです。
今やる必要があるのか。
自分がやる必要があるのか。
そもそも続ける必要があるのか。
仕事が多いときほど、効率化だけでは限界があります。
10個の仕事を少しずつ速くするよりも、その中から不要な仕事を減らした方が、使える時間が増えることもあります。
「もっと速くやる」だけでなく、
「そもそも、やらなくてもよいのでは?」
と考える。
忙しい人ほど持っておきたい視点です。
「後回し」も使い方によっては選択肢になる
「後回し」というと、悪いことのように思えます。
しかし、重要な作業へ集中している途中で、細かな仕事にその都度反応していれば、集中が途切れてしまいます。
そこで、
今すぐやる必要のないことは、あえて後へ回す
という考え方もあります。
もちろん、何でも先延ばしすればよいわけではありません。
重要な仕事を進めるために、優先順位の低いものをいったん後へ移すという意味です。
メール確認や細かな処理をまとめて行う。
集中する時間帯には、重要な作業以外を入れない。
こうした使い方なら、「後回し」は単なる先延ばしではなく、時間を守るための選択になります。
マルチタスクより「一つずつ終わらせる」
やることが多いと、
「あれもこれも同時に進めた方が早いのでは?」
と思うことがあります。
しかし、いくつもの作業を行き来すると、一つの仕事へ集中しにくくなります。
そこで、
今やることを一つ決める。
それ以外はやらない。
終わったら次へ進む。
という考え方です。
とてもシンプルですが、予定が多い人ほど難しくなります。
「何をやるか」を増やすよりも、
「今はこれ以外をやらない」
と決めた方が集中しやすくなります。
自分でやらなくてよいことは手放す
時間を作る方法は、自分がもっと速く動くことだけではありません。
自分でなくてもできることなら、
「本当に自分がやる必要があるのか」
と考える方法もあります。
仕事なら、人に任せられる業務があるかもしれません。
生活なら、便利なサービスや道具を使える場合もあります。
何でも自分で抱えてしまうと、本来自分が取り組みたいことへ使う時間まで減ってしまいます。
もちろん、何でも他人に任せればよいという話ではありません。
自分だからこそやる意味があることへ時間を集中するために、手放せるものを探す。
これも「やらないことリスト」の考え方です。
「やりたくないこと」を明確にすると、やりたいことも見えてくる
本書のおもしろいところは、
「何をやりたいか」
だけではなく、
「何をやりたくないか」
にも目を向けるところです。
やりたいことを聞かれても、
「特に思いつかない」
ということがあります。
一方、
「本当はやりたくないことは?」
と聞かれると、
- 無駄に長い残業
- 必要以上の付き合い
- 何となく続けている作業
- 人に任せられる仕事
- 惰性で使っている時間
などが見えてくるかもしれません。
こうした「やりたくないこと」を整理すると、
反対に、
「では、自分は何へ時間を使いたいのか」
が見えやすくなります。
ただ時間を空けるのではありません。
不要なものを減らした結果、
「もっと勉強したい」
「家族との時間を増やしたい」
「仕事でこの分野に集中したい」
といった、自分が大切にしたいものが見えてきます。
「やらないことリスト」は、
やりたいことを見つけるための入り口
にもなるわけです。
G+PDCAとは?|ゴールを先に置いて行動を回す
本書の後半には「G+PDCA」という考え方も登場します。
一般的なPDCAは、
- Plan:計画
- Do:実行
- Check:検証
- Action:改善
を繰り返す方法です。
本書では、その前に、
G=Goal(ゴール)
を置いて考えます。
つまり、
Goal
↓
Plan
↓
Do
↓
Check
↓
Action
という流れです。
何のために取り組むのかが曖昧なままでは、計画を立てても方向が定まりません。
先にゴールを決めることで、
「ゴールに必要なこと」
と、
「なくてもよいこと」
を分けやすくなります。
これは「やらないことリスト」ともつながっています。
ゴールがあるからこそ、
何をやらないかを選べる
からです。
本書が単なる「無駄なことを削る本」ではなく、目標達成まで考えていることが分かる部分です。
「見るだけノート」なので読み進めやすい
本書は「見るだけノート」シリーズなので、イラストを使いながら内容が整理されています。
文章だけで理論を長く説明する構成ではありません。
そのため、
「時間管理の本をじっくり読む余裕がない」
という人でも、気になるところから読みやすい作りです。
176ページありますが、一般的なビジネス書のように文章がぎっしり並んでいるわけではありません。
反対に、
「一つの理論を深く掘り下げたい」
「研究や根拠まで詳しく読みたい」
という人には、1項目ごとの説明が簡潔に感じられる可能性があります。
本書は、
最初から最後まで理論を学ぶというより、使えそうな考え方を見つけて試す本
として読む方が合っています。
気になったところ|全部を一度に実践しようとすると逆に増えてしまう
本書では、仕事、生活、目標達成について、さまざまな考え方が紹介されています。
ここで注意したいのは、
紹介された方法を全部やろうとしないこと
です。
せっかく「やらないこと」を決める本を読んでいるのに、
「この方法も追加しなければ」
「あの習慣も始めなければ」
と考えてしまえば、やることがさらに増えてしまいます。
まずは、
「本当はやりたくないこと」
「やめても大きく困らないこと」
を一つ探す。
そして、本当に減らせるか試してみる。
それくらいから始める方が、本書の考え方を取り入れやすいでしょう。
おすすめな人・合わないかもしれない人
本書は、次のような人に向いています。
- 毎日やることが多すぎる人
- ToDoリストがなかなか減らない人
- 仕事や雑用に追われている人
- 勉強・副業・趣味の時間を作りたい人
- 何でも自分で抱え込みやすい人
- 時間管理を頑張っているのに余裕ができない人
- 「もっと効率化する」以外の方法を探している人
特に、
頑張っているのに、やることばかり増えている人
には参考になる部分があります。
一方、
- 時間管理の理論を深く学びたい人
- 一つの方法を詳しく研究したい人
- すでに不要な作業をかなり減らせている人
- 文章中心の詳しい解説を読みたい人
には、少し物足りなく感じる可能性があります。
イラスト中心で、まず実践しやすいヒントを見つけたい人に向いている本です。
「やることを増やすばかりで、いつも時間が足りない」と感じている方は、『やらないことリストのつくり方 見るだけノート』の詳しい内容や読者レビューを確認してみてください。
今日から「やらないことリスト」を試すなら?
ここからは、本書にそのまま掲載されている手順を再現したものではありません。
本書の「やりたくないことを明確にする」という考え方を、試しやすい形に本記事で整理したものです。
1.最近、時間を使っていることを書き出す
まず、仕事でも生活でも、
「普段何に時間を使っているか」
をいくつか書き出します。
2.「本当はやりたくないこと」を探す
その中から、
- 本当はやりたくない
- 惰性で続けている
- 自分がやる必要はない
- やめても大きく困らない
と感じるものを探します。
3.まず1つだけ「やらない」と決める
全部を一度に変えようとしません。
まず一つだけ、
「これはやらない」
と決めます。
4.空いた時間を何に使いたいか考える
ここが大切です。
やめて終わりではありません。
その時間を、
勉強。
家族との時間。
趣味。
休息。
重要な仕事。
など、自分が大切だと思うものへ移します。
「やらないことリスト」の目的は、時間を空白にすることではなく、大切なものへ時間を移すことです。
「まず動けない」ことが悩みなら『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』
同じ行動・時間管理を扱う本として、『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』もあります。
ただし、2冊が解決しようとしている悩みは少し違います。
『やらないことリストのつくり方 見るだけノート』は、
やることが多すぎる状態から、不要なものを減らす
ための本です。
一方、『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』は、
やることは分かっているのに、最初の一歩が踏み出せない
ときの行動方法を扱っています。
簡単に分けると、
「忙しすぎて時間がない」なら本書。
「やることは決まっているのに始められない」なら『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』。
という違いです。
悩みに合わせて読み分けると分かりやすいでしょう。

まとめ|時間を作る前に「何をやめるか」を決める
『やらないことリストのつくり方 見るだけノート』は、
もっと効率よく、たくさんのことをこなすためだけの本ではありません。
限られた時間を本当に大切なことへ使うために、
「何をやらないか」
を考える本です。
やることを追加する。
効率化する。
もっと頑張る。
それでも時間が足りないのであれば、
一度、
「これは本当に続ける必要があるのか」
と考えてみる。
後へ回してもよいかもしれません。
誰かに任せられるかもしれません。
そもそも、自分は本当はやりたくないことかもしれません。
やりたくないことを整理すると、
反対に、
「自分は何に時間を使いたいのか」
も見えやすくなります。
「やらない」は消極的な選択ではありません。
大切なものを選ぶための引き算です。
やることばかり増えてしまい、何を削ればよいのか分からなくなっている人が、自分の時間の使い方を見直すきっかけになる一冊です。
『やらないことリストのつくり方 見るだけノート』が気になった方は、書籍の詳しい内容や読者レビューを確認してみてください。


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